Satoyama Devastation and Bamboo Groves
里山の荒廃と竹林
熊本県美里町
豊かな自然と里山の町
美里町は、熊本県のほぼ中央に位置する、熊本市から南東へ約30km、車で約40分程の距離にある自然豊かな地域です。
山地丘陵部が多く、総面積の約8割近くを森林が占める、典型的な中山間地域です。南部地域には、標高千m級の山岳が連なり、一部は九州中央山地国定公園や県立自然公園にも指定されています。
里山が抱える問題
少子高齢化がすすむ現代社会において、里山は様々な課題を抱えています。
現在の里山は、山林や農地、水路などの自然環境の荒廃・里山特有の生物の生息域の消滅と
生物種の減少・地域固有の文化の喪失や景観の悪化・国土保全機能の低下による災害発生、
水源をよりよい状態に保つ機能の低下などの問題が生じています。
その背景には、戦後の高度経済成長とともに産業構造や生活様式が急激に変化したことがあります。
燃料としての薪炭や草、カヤの利用の停滞、衰退・人口流出による里地里山地域の過疎化、
高齢化・人工林化の進展とその後の外材輸入拡大に伴う森林資源利用の縮小・宅地、ゴルフ場等の
造成、農地・河川整備など開発による自然の改変がその理由です。
一方、あちこちで竹林がはびこりだし、里山を登り、広がり始めました。
竹といえば、食用や竹細工の原料として私たちに馴染み深い植物ですが、里山にとってその管理は
要で、竹林内の竹の密度を、傘を差して歩ける程度の密度で管理するのが通例でした。
かしその管理を放棄された竹林内は過密になり、土壌は貧栄養状態になるため、竹の地下茎は
竹林の外側に伸張し、その速度は1年間に10m近くになることもあるといいます。
近年、九州地方から東北地方南部まで、竹林の繁茂は特に著しく
そのうち日本の里山は竹林で覆われてしまうかもしれない…と危惧されています。
かつての美しい里山の象徴だったコナラやクヌギは大木になり、薄暗くうっそうとした密林に変化し、密生した竹林も人を寄せ付けず、多くの人々が「里山は荒廃している」と感じるのです。
美里町も例外ではなく、少子高齢化の進展から、耕作放棄地の増加、獣害拡大などの問題が山積し、愛する地元が衰退していく状況を目の当たりにしています。
弊社の取り組み状況
(竹の利活用事業)
弊社代表の一村が生まれ育った愛する美里町。
そんな地元が衰退していく状況に歯止めをかけるため、町の人口減少に歯止めをかけるような
魅力ある町づくりや里山づくりに貢献できないものかと常々考えていました。
そこで数年前から、竹林整備を主目的とした「竹林の伐採整備と竹を活用した竹チップと
竹パウダーの製造販売による土壌改良の普及事業」の取り組みを始めました。
<竹チップ>
<竹パウダー>